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古来より存在する「眼鏡」。一時はコンタクトレンズが大流行しましたが、近年様々な利点によりその利用法が見直されつつあります。また、最近街中で目を引く「眼鏡っ娘」。眼鏡を掛けるだけでなぜ可愛く見えるのでしょうか。今日のクローズアップ現代は世界を侵食する『眼鏡っ娘』の魅力について迫ります

ギヤレシオの考察

先日、購入予定日を大幅に前倒しして16-27Tのスプロケットを購入してしまったという話をしました。

巡航速度と脚の強さによってギヤ比ないしスプロケットは選別されます。

ギヤ比を\(R_{gear}\)、\(Z_C\)をクランク歯数、\(Z_{SP}\)をスプロケット歯数とします。このとき、ギヤ比は\[R_{gear}=\frac{Z_C}{Z_{SP}}\]で求まります。

14-25T、16-26Tにおいて\(Z_C=53, 39\)としたときのギヤ比の遷移を図1に示します。

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図1 \(Z_{C}=39, 52\)のときの14-25T(濃いやつ)と16-27T(薄いやつ)の挙動

これは今回購入したCS6700の16-27Tに対する14-25Tの比較となります。クランク側が39T(インナー)のときでも、52T(アウター)のときでも変速時にかなりかぶっていることが多いので、ギヤ比の選択肢は豊富にあります。
しかしながらインナーからアウターへフロント変速するときにギヤ比を保持したい場合、リヤディレイラーの変速回数は多くなってしまいます。

また、CS5700において12-25T、12-27Tで\(Z_C=53, 39\)としたときのギヤ比の遷移を図2に示します。

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図2 \(Z_{C}=39, 52\)のときの12-25T(濃いやつ)と12-27T(薄いやつ)の挙動

図1と比較して、図2では多くの点が重なっています。附表をご覧いただければわかると思いますが、複数スプロケット構成間においてCS5700ではスプロケットにおけるギア比の選択肢が少なくなっています。
一見すると、CS6600とCS5700の差と言うのは、ギヤ比の選択肢が少なくなっているかのように思われがちかもしれません。しかし、CS5700のギヤ比の分布に注目してください。CS6600ではインナ-アウタのギヤ比の差は1.25程度でした。しかし、CS5700のギヤ比の差は1.75から2.5程度あります。
すなわち、CS5700とCS6600を比較したときの大きな差は、トップとロー側でギヤ比が大きく異なっている、すなわちワイドレシオとなっているということです。

なお、ケイデンス\(\omega\) [r.p.m]、タイヤ直径\(d\) [mm]としたときの自転車の速度\(v\) [km/h]は\[v=\omega\times 60 \times \frac{Z_C}{Z_{SP}}\times \pi d \times 10^{-6}\]となります。

ギヤ比がこれだけ差があれば、同じケイデンスで2倍の速度差が生まれるということです。しかし、ワイドレシオの場合はギヤ比の分布が大きいため、多少速度が上下しやすいという欠点もあります。

どちらかと言えば、ワイドレシオは山も平地もできるオールラウンダー向きだけれど器用貧乏になりがち、クロスレシオは平地か山に限る*1けれど適切なギヤ比の幅を選択すれば最高のパフォーマンス。といえるわけですね。

かつてはプロがうんとこしょどっこいしょと踏んでいた(プロだから踏めていた)男ギア。メーカは、アマチュアでもロードに乗れるように軽いギヤ比を設定するために、コンパクトクランクやジュニアスプロケットを作ったわけです。
1段1段をすべて同じギヤ比の差で済ませれば、1つのスプロケットでより大きなギヤ比の構成になります。トップとローで同じギヤ比であれば、段数が多くなればなるほどよりクロスレシオになります。

近年のリアディレイラーの多段化はチェーンの寿命を削っているだけの無駄な動きではなかったのだということがわかりますね。

参考

CS6600
 12345678910
13-25T 13 14 15 16 17 18 19 21 23 25
14-25T 14 15 16 17 18 19 20 21 23 25
15-25T 15 16 17 18 19 20 21 22 23 25
16-27T 16 17 18 19 20 21 22 23 25 27
CS5700
 12345678910
11-25T 11 12 13 14 15 17 19 21 23 25
11-28T 11 12 13 14 15 17 19 21 24 28
12-25T 12 13 14 15 16 17 19 21 23 25
12-27T 12 13 14 15 16 17 19 21 24 27

*1:スプロケとかクランクセットで全体的にギヤ比をシフトすれば、ということ。同じスプロケットだと上りはOKだけれど下りと平地はギヤが切れるということになりがち。v.v.