見切り発車上等主義
学会に出ることになった.
学生の本文は勉強することではなく,研究することであるのだから,別段不思議なことではない.実際,昨年もその前の年も規模はどうあれ,学会に出席しているのだから.
しかしながら,毎度毎度見苦しいなぁと恥じ入ることをしている.
見切り発車なのだ.
それもヒドイ見切り発車だ.
本来,学会の申込みは講演発表のタイトル,講演発表の概要を同時に提出する.そのため,申込時にはある程度研究の成果が上がってきていることが前提条件になっているのだ.
一方で,昨年も,今年の申込みも,研究成果が上がらない状態で,めどが付いたというだけで申し込みをしているのだ.
教授も「オーガナイザーになっているのにその学生が研究発表しないのは,私が恥ずかしい」だの「実験はテキトーにやればいいよ」だのといって,準静的に学会講演を強要した(主観的には強制ではないかもしれないが).
学生である僕は,ヒーコラヒーコラ言いながら実験を試行し,なんとか成果をあげて学会に臨むのである.これが辛い.
実験をするのも結果をまとめるのもそれほど苦ではないのだが,
・あるリミットがあり
・そのリミットまでに成果が出るかどうか分からず
・さらにはそのリミットに間に合わなければ自分のみならず教授の顔まで泥パック
という三連コンボが待っている中で,精神に負担をかけるという行為が耐え難い苦痛なのだ.
昨年の別な研究室でも見切り発車を行ったのだが,その先生は現研究室の出身ということで,まあそういった見切り発車の精神は連綿と受け継がれていくのかもしれない.
助教も言っていた.
「ああ,教授は見切り発車大好きだよ」
って.
今度出席する学会は,来年には海外で開催するらしい.プチ国際学会だ.
気が早いと思うが,教授からは来年その学会に出席できるように成果を溜めよ,という至上命令が発布された.
行くぜ,大本営.