研究日記:見切り発車そのさん
新しい学会の見切り発車をしてしまった.
今の研究室に入ってから,成果が出ていないのに講演登録をしてしまった学会はこれで三つ目になる.月末にそのうちの一つを消化できるので残るは二つになるからちょっと一安心......という訳にはいかないようだ.
直近の学会に使っているデータの整合性がめちゃくちゃ怪しい.教授陣ではなく学生の自分が疑問を抱くくらいに.
使っている試薬が温度上昇によって揮発してしまう影響を全く考えてなかったのだ.
揮発のせいで結果が予想していたようになっているのかもしれない.
あからさまに怪しい.あまりに怪しいので教授に奏上しのだが,教授からは
「今回はそのデータでいいよ.要検証ってことで」
という一言のコメントで終わった.
こうもあっさりしていると,なにかあるのではないかと疑ってしまう.
いま,揮発の影響を無視するには色々と条件が足りない.その試薬は不可欠なのだ.揮発しない試薬は殆ど無いし,そういったものは他の研究者が試している(たいていダメだという結果が出ている).代替のものはないのだ.他には,試薬を使わないという手もあるが,それでは実験の条件が整わないのだ.
大変困った.
ともかく,月末の学会はのらりくらりなんとか躱そうと思っている.これでいいのか,日本の科学.心配だ.
(追)
他の学生は少しのミスでめちゃくちゃ責められているが,何故か僕に教授は甘い.
なにか贔屓があると思っている.
もっとも,そいつらは教授の質問に対してのレスポンスが遅いから,教授がイライラし易いと言うのはあるだろう.僕は間違ったとしてもできるだけ早く応答するように心がけている.話している途中で間違ったときは訂正している.
そういうところだろうか